【PLANTALK Vol.2】 後編 〜リアル(畑)とITのコラボがアーバン・ファーミングの未来を変える〜 アーバンファーマーズクラブ 小倉 崇× PLANTIO CEO 芹澤 孝悦 対談インタビュー

PLANTIO official
2019-01-25
前編はこちら。

渋谷では「渋谷のタネ」を作り、
各地のコミュニティと交換したい

小倉 1回でも野菜を育てたら、「楽しい。もっとやりたい」って思う人は、たくさんいると思いますよ。実際、僕のまわりがそうだったから。彼らが自宅でも野菜作りを始めるほどハマっていく姿を見て、「都市部に住む人たちはこんなにも、野菜を育てたい欲求をもっていたんだな」って初めて気づきました。意外でしたけど。

芹澤 自然に触れたいとか、自分の手で何かを生み出したいとか、何か環境にいいことをしたいとか、思うところはあるんでしょうね。

小倉 ですから、もっとアーバン・ファーミングに重点を置いた活動をしたいと思い、2018年2月にアーバンファーマーズクラブを立ち上げました。まずは恵比寿や原宿など、渋谷区の4つのビルの屋上などに菜園を作ります。そこで、PLANTIOさんと一緒に仕掛けたいんです。

写真:2017年の大型連休、恵比寿ガーデンプレイスにて開催したアーバンファーミング・イベント『EBISU GARDEN FARMERS』には500名を超える来場者が集った。

芹澤 ぜひ! 僕らも、まずはアーバン・ファーミングのコミュニティを作りたいと思っていました。

僕らにできるのは、コミュニケーション・テクノロジーを使って、活動を可視化することだと考えます。アプリのマップ上にあるアーバンファーマーズクラブさんのコミュニティにピンが立つようにして、すべての活動を見てもらえるようにするんです。一般の人に興味を持ってもらえるのはもちろん、4つの菜園のうち、どれか1つのメンバーにしかなっていない人が、ほかの菜園の様子を知ることもできます。

小倉 テクノロジーのすごいところって、時間と空間を意識しなくていいところですよね。ほかの場所でやっていることを、今、ここに居ながらにして知ることができる。

芹澤 僕らが開発中のプランター「PLANTIO HOME」には、菜園全体を見渡せるカメラとWi-Fi機能、アプリも搭載されていますから、菜園に1つでも置いてもらえれば、24時間、菜園全体の様子を確認できます。

今後、渋谷区だけでなく、都内の各所、さらには全国各地に菜園が点在するようになったら、この便利さをもっと実感してもらえると思いますよ。

小倉 僕らのマンパワーには限界があるから、全国各地を飛び回って、あれこれするわけにもいかない。僕が知り合った相模原の農家さんのように、指導を引き受けてくれる農家さんにもコミュニティのメンバーになってもらって、各コミュニティが独自に活動してくれるといいですよね

「野菜作りはトライ&エラーも楽しさの一つだけれど、あまりに失敗ばかりでうまくいかないと嫌になってやめちゃう」という小倉さんに、「PLANTIO HOMEは、その問題を解決する手段の一つになり得る」と芹澤。

芹澤 そして、アプリを通じて、それぞれがつながり合っているのが理想ですね。

ところで、アーバンファーマーズクラブさんで育てる野菜は、固定種ですか? F1品種ですか?

小倉 固定種、在来種にします。「ウィークエンド・ファーマーズ」では、指導してくれる相模原の農家さんがF1品種を利用していたので、同じ品種がいいだろうとF1品種を育ててきました。でも、今後は固定種にこだわって、タネとりもしたいです。

写真:「アーバンファーマーズクラブ」のメンバー・油井敬史さんは、神奈川県相模原市で、農薬や肥料を一切使わずに、土の力だけで野菜を育てる自然栽培農家さん。

芹澤 採種しながら3代育てた品種は、「固定種」ですからね。自分たちの手で「渋谷のタネ」を作れるなんて、最高じゃないですか。

小倉 各地のコミュニティで同じように固定種を育ててタネとりをして、シード・エクスチェンジをしたいなって。江戸時代、参勤交代で江戸に来た大名たちが、地元の野菜のタネを交換したみたいに。

芹澤 他藩の在来種のタネを、珍品として持ち帰って育てて。そうしたら、別の野菜になったとかね。面白いですよね。

小倉 大阪の天王寺カブが、長野で野沢菜になったみたいにね。

芹澤 僕たちは、そんなシード・エクスチェンジの仕組みや、タネの貸し借りができるシード・ライブラリーのシステムも作るつもりです。そこも、一緒にやっていきましょう。

小倉 リアル(畑)とITがコラボしたら、何倍も、何十倍も、できることが増える。アーバン・ファーミングの未来が変わりそうで、ワクワクしますね。