「我々のサービス“grow”の世界観は間違っていない」──プランティオ代表・芹澤が、世界最大の電子機器の見本市「CES2020」出展で深めた確信
2020年1月7日から10日まで、PLANTIO(プランティオ)はアメリカ・ラスベガスで開催された、世界最大の電子機器の見本市「CES2020」に出展した。
日本では、トヨタが「スマートシティ構想」を語ったことが話題になっていたイベントだと説明すれば、ピンとくる人もいるだろうか。今回PLANTIOは、経済産業省が主導するスタートアップ支援事業「J-Startup」の採択企業として、世界中のスタートアップ約1200社(46カ国)がひしめく「Eureka Park(エウレカパーク)」にブースを出した。

世界に羽ばたく前夜の技術やサービスを探す、世界各国のメディアや投資家、バイヤーなどとコミュニケーションする場だ。
昨年に続き、2回目のCES出展となったPLANTIO。前回はIoTプランターというデバイスの魅力をアピールしていたが、今回は、サービス内容をアップデート。
「都心で農に触れる人を増やし、“共給共足”の社会づくりを目指す」というコンセプトを掲げ、デバイス、アプリ、都心のビル屋上で運営する都市農園を含めた、ための総合サービス「grow」(2020年5月ローンチ予定)のプレゼンテーションを実施した。


また1月7日、CES開幕1日めには、メディアのみが入場可能なイベント「Show Stoppers」にも出展。こちらは、全約4500の出展企業のなかから、選りすぐりの約120社だけが出られるプレミアムなイベントだ。
ヒューレット・パッカード、オムロン、アディダスといった有名企業から、まだ正式ローンチ前のベンチャーまでが並ぶなか、一見テックからはかけ離れている土と野菜のモックに興味を惹かれ、PLANTIOのブースに足を止める人は多かった。


メディア向けイベントと本会場を含めた計4日間の展示を経て、サービスのコンセプトを強く気に入った投資家や、興味を持ったメディア関係者も多く、まずまずの収穫だったといえる。
食料自給率に関心の高いヨーロッパ各国出身の人々からは概ね反応がよく、広大な土地を有するアメリカ人でも、「ニューヨークでは流行るだろう」「冬の間にインドアで使ってみたい」といった声も。

さらにアメリカ、韓国、中国のバイヤーから「海外で販売する際には、ぜひ声をかけてほしい」という誘いがあったほか、「仕事には関係ないが、個人的に体験してみたい」との声も多く、企業向けイベントながら、見込みユーザーの意見も聞くことができた。

海外におけるデバイス・サービスのローンチがまだ先(2021年初頭を予定)であるため、早々に取り上げてくれる海外メディアはなかったものの、計10カ国・約60社のメディア関係者とのやりとりを経て、手応えを感じたというPLANTIO代表の芹澤孝悦さん。
「ひとりで野菜を育てるのではなく、みんなで一緒に育てる。“食を分かち合う喜び”は、人類共通の楽しみのはず。その世界観が、さまざまな国の人たちから『いいね!』と言われたことで、目指す方向性は間違っていないと確信しました。
また、大手商社の方々からの反応もよく、中には何度もブースに足を運んでいただいた例もあったんです。常にグローバルな商流を見ている方に刺さったことで、世界的にスケールできる可能性を秘めているんだと改めて実感しましたね」
約17万人が集まる世界最大のテックイベント出展によって、サービスの目指す方向性についての確信を深めたのだった。
編集=森ユースケ